対外純資産
対外純資産,たいがいじゅんしさん,タイガイジュンシサン
対外純資産とは、国全体として、政府、企業、個人が外国で保有している資産から、外国から国内への投資(負債)を差し引いたものを指します。対外資産としては外貨準備、援助、銀行の対外融資、日本企業の対外直接投資等があります。対外負債は外国人の対日証券投資、邦銀による外貨資金の借り入れなどがあります。
対外純資産がプラスの場合、対外純資産といいますが、マイナスの場合は対外純債務といいます。一般的にいって、国際収支の経常勘定が大幅な黒字を続ければ、対外純資産は大きくなり、逆の場合には対外純債務が大きくなります。対外純資産が大きくなれば、外国からの利子や配当の受取りが外国への利子・配当の支払いを上回るため、経常収支の黒字がさらに大きくなります。逆に、対外純債務が大きくなれば、利子・配当が支払超過となるため、さらに経常赤字が増えることになります。
日本では、経常収支の大幅黒字が続いてきたため、対外純資産が年々増加しています。2007年末の対外資産残高は610.5兆円、対外負債残高は310.3兆円で、対外純資産は250.2兆円に上っており、17年連続で世界最高となっています。なお、同年の経常収支は24.8兆円の黒字でしたが、そのうち所得収支(その大部分が利子・配当の収支)は16.3兆円の黒字で、貿易黒字の12.3兆円を上回っています。